赤外線アレイセンサ AMG8833 (Grid-EYE) をWebSocketで見てみる

赤外線アレイセンサ AMG8833、いわゆるGrid-EYEを使ってみました。

www.switch-science.com

 

上記の説明の通り、60度の四角錐の測定エリア(2次元)を8x8に分割した64個のピクセルについて、0〜80℃の温度が得られます。時間分解能は10fpsです。

これを、ESP8266 (ESP-WROOM-02) のI2Cで読み出してみました。上記は3.3Vで動作するモジュールになっているので、電源を含め、4本(Vcc, GND, SCL, SDA)の線で繋ぐだけで動作します。

ESP8266の場合、ArduinoWireライブラリはデフォルトでSDAにGPIO4、SCLにGPIO5を使用するため、この通りにしておくとスムーズです。(これ以外のピンでもピン番号さえ指定すれば動作します。)

 ESP8266はこちらのブレークアウトボードを使いました。

ESP-WROOM-02-搭載mikroBUS-R-対応ブレークアウトボード-Ver-2

 

基盤は以前別の目的でFusionPCBで作ったものを流用しています。GPIO13にはステータス確認用のLEDがついています。

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AMG8833が取得した10fpsの結果をリアルタイムに手軽に可視化して見るため、WebSocketでブラウザにデータを流して表示してみることにします。ESP8266上にWebサーバ/WebSocketサーバを乗せて、そこにWebブラウザで接続すれば見られるようにしましょう。

 

AMG8833に対応したArduino用のライブラリはいくつか公開されていますが、今回はAdafruitが公開しているものを使いました。

Arduino IDEの「スケッチ → ライブラリをインクルード → ライブラリを管理…」をメニューから選び、Adafruit AMG88xx Libraryを検索してインストールします。ついでにWebSockets というライブラリも入れておきます。これは名前の通りWebSocketのサーバ/クライアント実装です。

 

あとは記事末尾のプログラムをArduino IDEで書き込みます。

AMG8833に関連するのは以下の部分です。0x68はこのセンサのI2Cアドレスです(0x68と0x69を基盤上のジャンパで選択可能。Adafruitのライブラリではデフォルトが0x69になっていました。)

#include <Wire.h>
#include <Adafruit_AMG88xx.h> Adafruit_AMG88xx amg; // setup amg.begin(0x68); // loop float pixels[AMG88xx_PIXEL_ARRAY_SIZE]; amg.readPixels(pixels);

ESP8266を起動すると、指定したWi-Fiに接続し(接続中は1秒間隔でLEDが点滅し、接続成功すると3秒間隔の点滅になります)、Webサーバが起動します。シリアル出力またはArduino IDEの「ツール → シリアルボート」でIPアドレスを確認し、そこにWebブラウザで「 http://192.168.10.xx/ 」のように接続すると、以下のように8x8のグリッドにリアルタイムの出力値が表示されます(なお自分の方に向けたときに鏡像になるよう、左右反転して表示させています)。グリッド内の各数値は℃、色は0℃〜30℃に色相を適当に割り当てています(JavaScriptの bgcolor 関数)。

 

近距離なら人の形が識別できそう。 

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センサから2mくらい離れたところで手を振ってみたところ。10fpsだと結構動きもわかります。

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暖房をつけている状態で部屋全体が入るくらいの距離にしてみると、天井近くの方が床付近よりも2〜3℃くらい暖かいことがわかったりします。なおここで見ているのは空気の温度ではなく、壁の温度だと思います。 

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プログラム

 

gist.github.com